賢治作品『イーハトーブ寓話:黒ぶだう』 関連施設「菊池捍邸」保存活動
花巻市御田屋町にある菊地邸
菊池 捍(きくち・まもる)
歴史と文化を保存し伝えていくことが、地域づくりのはじめの作業です。
花巻市に残る菊池邸は、建築した「菊池捍」と家族の人間関係と建物の構造から賢治作品「黒ぶだう」の題材であり、作品中のベチュラ公爵のモデルとあることが、米地文夫先生(賢治研究家・ハーナムキヤ景観研究所・所長・岩手県立大学名誉教授)がその論文で紹介しています。
また、建物の構造が花巻の武家屋敷の構造を継承するものとして歴史的意味を持ちます。
当事務所は、米地文夫先生の指導のもの地域の関心の深い方々と一緒にグループを作り、この意味深く貴重な建物の研究と保存と活用について活動を続けてきました。しかし、東京に暮らすこの土地建物の書数社が売却の意向を持っていたために、その保存に苦慮してきましたが、盛岡の篤志家が当グループの活動に協力する意味で、この土地建物の取得を行い、建物の保存と活用を検討することで、建物の解体の危機は脱しました。
今後、所有者と当グル―プが協力しながら活動することで合意し、今新しい局面を迎えています。 現在、この貴重な、賢治作品と深い関わりがあり、花巻市のひつつの時代を象徴する歴史的建造物の保存と活用に関する協力を、広くお願いしております。
[木村清且:木村設計A・T所長、花巻市文化財審議委員]
菊地邸 構造図